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「和」の美・知恵
「和」の神髄を探る…2
極めることが日本文化の神髄。

実は日本は積極的な国民性をもっている

「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙無しや」

これは『隋書』東夷伝に記されている、倭王(聖徳太子など諸説あるようです)が隋の皇帝煬帝に送った手紙です。これを見て、煬帝は無礼千万と大いに怒ったといいます。

それにしても、なんと大胆な手紙を送ったものでしょう。怖いもの知らずというべきかもしれませんが、当時の日本人は、いかに自尊心にあふれ、肝っ玉が太かったかが分かるでしょう。

日本の国民性といえば、礼儀は正しいけれど、控えめでおとなしいとよくいわれますが、この『隋書』の記述を見ても、そして戦国時代の武将などの勇猛果敢な姿を見ても、実は力にあふれ積極的な性質だったのだと、私は思います。

そういえば明治維新後、短期間で富国強兵策を推し進め、大国と渡り合える国力をつけたことも、太平洋戦争の敗戦から復興し、経済大国と言われるまでになったことも、その国民性のあらわれだったのではないでしょうか。それが勤勉さのせいだとの意見もあるでしょうが、勤勉なだけでは、世界に台頭する力はつかなかったはずです。そこには“そうなりたい”という積極的で強い意志があったはずです。

確かに日本は島国であり、外国の脅威にさらされにくかったことはあります。しかし、これだけの小さな国が、どうしてそこまでになれたのでしょうか。

“猿真似”は悪いことではない!?

日本人はよく個性がないといわれます。“和を以て尊しと為す”ではないですが、西欧のような個人主義ではなく、協調性こそが善しとされることが多いようです。

それだけに、オリジナル性が求められる学術研究や商品開発などにおいても、個性的な独自のものは少なく、“猿真似”しかできないなどと侮辱されることもありました(というか今でも…)。

かつては中国に学び、戦後はアメリカに学び、そうして日本は発展を遂げてきた一面は確かにあります。しかし、それが“猿真似”だけに終わっていたら、今の日本はなかったでしょう。

たとえば日本はかつて中国から多くの文化を取り入れました。平城京や平安京の碁盤の目のような区画整理は長安を参考にしたものですし、仏教や貴族の生活様式も、中国文化からのものが多くありました。文化の基礎である文字も「漢字」という元々は中国のものですよね。

しかしその後、日本人は中国文化を独自の文化にまで発展、昇華させていきました。仏教は浄土真宗など日本独自の多様な発展を遂げ、漢字はひらがな、カタカナを生み、それらを併用して使うという独特の文化にまで発展しました。

今、日本文化で世界的になっているといえば、アニメが挙げられると思いますが、もちろん最初は海外のアニメーションの真似から始まりました。

最初は“真似”から始まったものが、どうしてそこまで独自の進化を遂げることができたのか。それは、日本人が積極的にそれらの進化・深化に取り組んだからです。アニメを単に子供のものという固定概念を取り払い、大人の鑑賞にも耐えられるものとする…それはすでに“真似”という域を超えています。

「物事を極める」ことは、日本人の大きな特徴のひとつなのかもしれません。

極めれば、また新たなものが生まれる

「物事を極める」ことによって、独自の価値観を生み出したものに、“侘び・寂び”があります。本来、どちらもあまりいい意味ではなかったはずでしたが、日本人はそこに新たな美意識を見いだしました。“侘び”は茶の湯から、“寂び”は能楽などから理論化された概念ですが、お茶はもちろん中国から、能もその起源は中国から伝わった散楽にあるといわれています。

つまり、最初は輸入された文化でありながら、極めることによって独自の美意識や作法、様式、文化を形成したわけです。

日本の伝統工芸にも、この“極める”が大きな特徴になっていると思います。細部にまでこだわった造り、用の美としての使い勝手の追求とともに、豊かな遊び心(粋)をも併せ持ったこだわりぶり、極めぶりが日本の工芸品にはあります。

それは、最初に言った日本人の特徴である「力にあふれ積極的な性質」から来るものではないでしょうか。物事を極めようとする意欲は、決してただおとなしくて協調性があるだけの性質からは生まれてきません。

日本人は奥ゆかしすぎるというのか、自虐的なところがあるのか、自分たちの文化をあまり自慢しません。しかし、もっと自信をもっていいのだと思います。

おおらかに、あらゆるものを取り込んで、独自の文化にしていく、それこそ日本人のバイタリティーではないでしょうか。

※ガンバレニッポン!和楽多屋は、日本の工芸、日本の文化をこれからも応援していきます。
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(mori)


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